2014-06-09 ― アイアムヒーロー

ちょっとラグがあるけど、ジャパニーズ・ゾンビ・アポカリプスな漫画、アイアムアヒーローを読む
結構、いや、かなり読み応えある内容だった
風景とか舞台とかが身近で、リアル感?というか臨場感が凄い
ちょっと胃もたれ気味
イギリス人がショーン・オブ・ザ・デッドを見たらこんな感じになるのかな
いや、あっちはコメディタッチだったから、だいぶ違う
アイアムアヒーローの話に戻ろう
なんか途中から話の軸が2つに分かれていくんだけど、両方とも、今後クロスしそうな設定が伏せてあったのは、漫画としてよく出来た仕掛けなんだろうなあ
ヒロイン?らしき女の子がなんか人類の希望みたいな感じを匂わせたのは、王道的で良いとは思うんだけど、なんかちょっと違和感
あれ主人公が元々、こうバイオハザードな世界でゾンビを打ち倒すタフガイじゃない、リアルさのあるキャラから始まったのと対比すると、唐突感があるというのかな
でもそうしないと、あの世界、ほんとなんか救いがない感じだし難しい自衛隊とか警察といった公的機関が早期に壊滅して機能不全に陥るのは、まあ、そうしないと救助が来てめでたしめでたししちゃうからわかるけど、警察も自衛隊もそう簡単には壊滅しないと思うんだ

離島に駐屯している部隊もいるし、海上に出ている艦艇だっているわけだし
在日米軍だって司令部は座間だけど、その上はペンシルベニア通りの1600番地にあるし
あ、世界的パンデミックなんだから、とっくにホワイトハウスなんか堕ちてるのか?
んー、ゾンビがいくら出ようが、アメリカが落ちるとは正直、信じられない
だって生きてる人間だって容赦なく撃つのがアメリカなのに、死んでる?あ、人食う人間モドキ?撃つでしょ、皆殺しでしょ、だってそれがアメリカなんだから
ビンラディンを殺すのには10年以上かかったけど、それ以外の人間と人間以外のヤツをぶっ飛ばすのにそんな時間かからないと思ったり
まあ、アメリカの話はもういいや
でも、軍隊のことを考えると、指揮系統が機能しなかったら満足には動けないよなあ、で、たまたま運の悪い?主人公たちとは遭遇しなかった、と
というかこういう非常事態の時に怖いのって、ゾンビもそうなんだけど、人間なんだなあ
読んでて自殺島を強く思い出した
と小学生並みの感想を言っても許されるのは日記ならでは

良い物を読ませてもらったし、前回の続きをちょっと

2日目
電気が来てないのか、蛇口をひねっても水は出なかった
タンクの水は、病気のゴキブリが繁殖活動に勤しんだみたいに、変色して濁っていたので諦めた
貴重な水分を口から吐き出すのを我慢しながら、俺は民家を後にした
昨日は川の水をそのまま飲んで腹を下した
沸かせば少しは大丈夫になるだろうか、あるいは上流を目指してみるべきか
水と食べ物を探すが、俺は不死身のコマンドー野郎でも命知らずな海兵隊でもない、山に入ってサバイバルなんてのは無理な相談だ
とすると、民家を漁るしかない
一夜を世話になった善良なアリゾナ市民の家には、アメリカ人にしては珍しく銃が置いてなかった
もっとも、あったとしても善良なアリゾナ市民の銃は頑丈な錠前のついた武器庫に整然と収められているはずだし、それを開けるのは22世紀になっても難しいだろう
俺は道沿いに歩きながら、時々、いや頻繁に後ろを振り返った
あいつ、昨日の奴がつけてきてないか、不安だった
奴の正体、というかあれが何なのか考えるのはやめた
どうせ答えは出ない
とにかく遭遇しないことが望みだった
それに昼間のうちなら、昨日の様子からすると走らないはずだ

ガソリンスタンドを見つけた
タイヤがなくなり、窓ガラスの砕けた、真っ黒に煤けた車が道を塞ぐように何台か停まっていた
店のガラスも同様に砕かれて、地面には芸術的素養のない人間による、犬の小便と同じ程度の意味しかない印がペイントされている
ガソリンスタンドに隣接したコンビニエンスストアの棚にはめぼしいものはなく、特に飲料水などは壊滅的に在庫切れだった
裏手にある倉庫の入り口を見るが、地面には無理やり引きちぎられたような南京錠が鎖といっしょに地面に落ちていた
どうやら、先客は遠慮という言葉を辞書で引いたことがないようだ
俺は先人の作ってくれた轍を踏むように、錠前のぶち破られた倉庫に入った
思った通り、缶詰やらの箱があったはずの場所はなにもなくなっていた
トラックで乗り付けて物資を手早く強奪して、さっさとこの場を立ち去ったのだろうか
この店始まって以来の100パーセントオフのバーゲンに乗り遅れた自分が悪い
とにかく、使えそうなものをいくつか収穫して、他にも何かないか、俺が探しているときだ
正面のガラスドアの方で音がした
ガラスを踏む音だった
俺は咄嗟に心臓を止めた、いや、心臓が止まりそうになった
くびれた腰と長く伸びた足が目についた、少なくとも人影や後ろ姿でいるうちは、美人の持ち主だと期待したくなる、良いスタイルといえた
ただし、生前ならば
俺は気付かれないように気をつけて、静かに入ってきた裏口から出た
手に入れたのはライターとオイルだ、これで焚き火ができる
民家から拝借してきた、一番小さい10インチのフライパンは新聞紙に包んでリュックにしまってある
俺は川を目指した
河原で石を組み合わせたカマドを適当に作って、その中に枯れ枝を組んでみる
ナイフを手に入れられたのは幸運だった、焚き付けにフライパンを包む新聞紙を使おうか迷っていたところで、木の枝を削ることを思いついた
木の枝に切れ込みをいくか入れたり、拾った松ぼっくりにライターのオイルを少しつけると、勢いよく火がついた
焚き火ができたので、こんどはペットボトルに組んできた水をフライパンに移して沸かし始める
火力がイマイチなのか、沸かすまで15分か30分くらいかかった気がする
とにかくお湯を沸かすことが出来た
あの民家から拝借してきたインスタントコーヒーの粉をカップに突っ込んで、お湯を注ぐ
ああ、ここから無事に帰れたら地元でカフェをオーブンしてもいいな
少なくとも、今の俺は町一番のバリスタなんだから

喉の渇きから少し解放されると、人間は贅沢で現金なもので、こんどは空腹を身体が訴えてきた
ここに車で、我が物顔で道路を横断する鹿を見た
だが野生の鹿を生身の人間が仕留められるわけがない
銃、それもライフルかショットガンが必要だ
そうだ、銃があれば昨日の奴やガソリンスタンドの美女と不意に出会っても、もてなせる
コーヒーを覚ます間、ガソリンスタンドの棚から手に入れた地図を俺は読むことにした
手近には銃砲店がなさそうだが、ここは田舎だ
ホームセンターか、大きめのスーパーに行けば残っているのがあるかもしれない
地図上で概算すると、一番近くの店までは10マイルほどある
車ならすぐだが、歩くとしたら多分5時間近くかかるだろう
ちょっと難しいかもしれない
よしんば辿りつけたとして、ヘトヘトになったところを襲われたら逃げ切れない
俺はペットボトルにコーヒーを詰めて、川の水でよく冷やしてから歩き出した
そういえば、川には魚がいた
釣り竿ならどうにか作れるかもしれない、糸も服の繊維を使えばなんとかなるような気がする
いや駄目だ、針がない
やはりまたあの民家のあった町に行くしかないのか
俺は腰のナイフを確かめた
とりあえず、頼りになる武器はこれしかない

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