2014-06-06 ― 7Days To Die

今日は祖母が86歳の誕生日だったようで
いつもは母親か誰かが何か祝を届けに行くのだが、都合がつかなかったために代理で訪ねることに
雨の中の荷物を担いでの外出は結構疲れる
最寄り駅からバスに乗りたかったんだが、タイミング悪く、徒歩で長い坂道を行くことに
最近少し歩くようになっているせいか、坂道の多い移動も思ったより苦ではなくなってきている
それと全然日記じゃないけど、なんか不意に書きたくなったのがあるので以下に
ちょっと続くかもしれない
7days to die小説風
プレイ日記とか実況系じゃなくて、あくまで雰囲気重視ってことで
書いてて思ったけど、ゲーム的にはどう終着点を見出すかが悩みどころ
無難なのは脱出させることだけど、それじゃちょっと面白くないし

とある生存者の手記

1日目
仏心を出したのか、それともたった一発の銃弾を惜しんだのか、俺は着の身着のまま、強盗の運転する(1時間前まで8年間自分のだった)車から道端に転がされた
「ベイビー、ここはベガスよりもホットなパラダイスだぜ。楽しみな」
強盗は微笑むと痰といっしょにそう吐き捨てて、走り去った
太陽が高く、時計を持っていなくても、おおよそ正午だとわかった
俺は喉が乾いていた
あの強盗はきっと荷室に隠したビールに気づくだろう、いいさ、くれてやる
ほんの数マイルも歩けば、きっと町がある
町には田舎特有の薄っぺらいメニューしかないダイナーがあり、横にはガソリンスタンドがあり、頭の悪そうな若者が荷台に仲間を乗せたピックアップトラックを乗り付けて、保安官の目の前で飲酒運転をする、そんな光景があるに決まっている
きっとそうだ

ところが、その2時間後
腐敗した死体の放置された食堂を一軒と、屋根の崩れた廃屋を通りすぎて見えたのは、爆撃でも喰らったのか、荒れ果てた集落みたいな場所だった
坂を登って左右を見ると、東西にわたってほぼ一直線に焼け焦げた光景が広がっている
山火事のあとみたいだ
その先は森が広がっている
さらにしばらく歩いていると、何か音がした
水の流れる音だ
俺は疲れきっているのも忘れたかのように、生後間もない子馬のように小走りになって川を目指した
すぐに目の前にきらきらした光の反射が飛び込んできた
水の流れは大して速くない、浅い川だった
水は透明に見えるが、果たして飲めるのだろうか
冷静な時なら、そうした考えが頭をよぎるものだ、しかし、この時の俺は腹が減っていたし疲れていたし、そこらへんの枯れ枝みたいに喉が乾いてざらついていた
両手ですくった水をなんども顔にぶちまける、その冷たさがさらに誘惑してくる
ちょっとくらいなら大丈夫のはずだ
悪魔がそうささやく前に、俺は顔を洗うためにすくった水を飲んだ
生き返る、というのはこういうことをいうんだろう
俺はその川べりでしばらく休みながら、運良く見つけたペットボトルに水を汲んで、それを片手に下げながらまた道を歩いた
多分、道や川の近くなら、人が住んでいるだろうと思った
すると間もなく、俺はついてる、俺は運がいいと信じたくなってきていた
ほんの数時間前に強盗に遭った分際で何を、という感じだ
だが、けっこう呆気無く、小さな町を見つけることが出来た
歩いている人も何人かいる
ああ、助かったんだ、俺は
その時は、本気でそう思っていた
そして間もなく俺は気づいた
自分が全然助かっていないどころか、とんでもない場所に迷い込んだことに

やつらはいったいなんなんだ
俺は道を歩いて、手を振りながら通りの向こうにいる男に向かって近づいた
その俺の声に気づいて、男が振り返った瞬間、俺は足を止めた
まだ相手との距離は結構ある、話しかけるには遠いが、とにかく俺は立ち止まった
その男は両目がなかった
それだけはっきり覚えている
落ち窪んだ眼下の夜の闇のような空虚で冷たい空洞が、俺をまっすぐ射抜いた
彼は足を引きずるようにして、ゆっくり俺に近づいてくる
俺は立ち止まったまま、彼の目玉があった場所を見つめていた
二人の距離が50フィートくらいになった時、俺の耳に彼のうめき声が聞こえてきた
いいや、おかしい
彼、なんてのはあいつにふさわしくない
ところで、あれはなんだったんだ
ジョージ・ロメロの映画で似たようなのを見たことがあるが、いや、そんなことはありえない
はずだった
とにかく、俺はその場から逃げた
一言いわせてくれ
マジでふざけんな

町というより、そこは住宅街だった
俺は奴に見つからないよう、町外れの一軒家に入り込んで隠れていた
音を立てないように気をつけながら、耳をすませて戸棚やクローゼットを調べる
家主には申し訳ないが、こんなところで死ぬわけにはいかない
俺は電話の横にあったメモに、自分の名前と連絡先を書いてから、その下に拝借した物のリストを書き連ねた
手に入れたのは、少しの缶詰と田舎のアメリカ人なら誰でも持ってそうな無骨なナイフ、それから着替えや荷物を持ち歩けるリュックサックだ
幸運なことに、大して汚れていない寝袋もあった
そして支度を整えている時だった
唐突でいて激しい腹痛にあたったのは
トイレに駆け込んで、幸いにも下着を汚すハメにはならなかったものの、原因はすぐにわかった
あの川の水だ
やはり、そのまま飲んではいけなかったのだ
せめて沸かすなりしてからでなければいけない
だが、電気もガスもこの町には来ていない
火を起こすには焚き火をしなければ
まさか、家の中でアウトドアをするとは思っていなかった
とにかく、そうなると必要な物が増えてくるはずだ、何が必要になるか、何を持ち歩くべきか考えていると通りの方で物音がした
ゴミ箱を誰かが蹴飛ばして、その場でずっこけたようだった
外はもう真っ暗に近いとはいえ、月明かりもある
それに道端のゴミ箱なんか、普通に歩いていればぶつかったりなどしない
目が見えないならともかく
ああ、俺は昼間に見た第一村人のことを思い出した

玄関や窓の戸締まりを確かめつつ、俺はカーテンの隙間から物音のした通りを見た
やつだった
間違いない、昼間に見たあいつだ
奴はなにやら、奇声をとも叫びともつかない声を上げながら通りを全力疾走で行ったり来たりしている
異様な光景だ
その度にゴミ箱やら郵便受けやら、タイヤのなくなった車なんかにぶつかって、物音を出していたようだ
奴は通りを何往復も走っている、機械的に、疲れた様子もなく
俺は固まっていた
怖かったのだ、当たり前だろう
映画ではゾのつく腐った身体の人々は皆、二日酔いの覚めない人間のようにだらだら歩くだけだった
だが、あいつは走ってくる
しかし妙だ
昼間は走っていなかった、もっとも、そうだったなら、俺はとっくに襲われていただろう
やっぱり俺は運がいいのか
いいや、あんな化け物と一晩とはいえ近所住まいをしなきゃならないのに、何が幸運なものか

俺は東の空が白むまで窓際で過ごし、奇声とバタバタ走る音や何かにぶつかる物音を聞きながら、結局一睡もできなかった
長い悪夢の夜が終わり、朝が来た
しかし、またすぐに夜の帳が下りる
その時までに、安心して眠れるところを見つけなければいけない
また長い一日になりそうだ
それはともかく、冷たいビールが
いいや
今日こそ安全な水が飲みたい

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