2014-10-20 ― S.T.A.L.K.E.R.

S.T.A.L.K.E.R.をヌルゲー化して気ままにZONEで生きるのが楽しい
ゾーンのシビアな環境は、最初は新鮮で、放置された廃墟や自然と異界の融合した、不思議で美しい世界に魅了されていく
そして徐々に恐ろしくなっていく
一体、このゲームを何周クリアしたのだろう……?
10回? もっと?
ヌルゲー化のため、設定を書き換えて初期資金を潤沢にしてプレイ開始
(最初に支給される探知機の値段を超高額にして、トレーダーの品揃えを豊かに)

 

 今、私は再び、チェルノブイリ原子力発電所を訪れようとしている

いつ訪れても、律儀に新参者扱いされるのは腹立たしかったが、もう慣れた
資金だけは潤沢に用意した
さて、このシドロビッチなる恩人の品揃えは……?

やはりというべきか、あるいはいわずもがな旧東側の銃が多い
くわえて欧米の新品と思しきものもいくつかある
米軍御用達のM4カービンをはじめとして、マニアックなLR300から高級品のHK416まで揃っている
非常に魅力的な選択肢だが、IRレーザーやダットサイト、光学照準器などのオプションはお粗末だ
というかほとんどない
あるのはACOGのスコープくらいか?

正しい判断だ
定期的にゾーンを襲う、ブロウアウトと呼ばれる放射能嵐の環境下に晒されたら、軍用とはいえ電子機器などすぐにお釈迦だ
ACOGなどのように、内部に自然発光するトリチウムを封入している照準ならば、その影響は受けないのだろう
ただ、いったん旅に出ると次にいつ補給を受けられるかわからないことも、経験豊かな「案内人」は知っている

私は今にもヨダレを垂らしそうな、シドロビッチの脂ぎった顔を一瞥して、ごく普通のAK74を選んだ
彼を落胆させたかもしれない
シドロビッチは「すぐ戻る」と言ったきり、奥の倉庫に引っ込んでしまった

豊富な資金を持つ身にもかかわらず、私が選んだのはかなり安いアサルトライフルだった
他の装備を選んでいる間にシドロビッチは戻ってきた
「AKが好きならこいつはどうだ」
シドロビッチが抱えていたのは、黒い樹脂製の外装のAK74だ
私が先ほど選んだものと、対して違いはなさそうだ……強いて言うと、外装が樹脂なので腐食には強そうだが

「こいつはいわく付きでな……」
そう切り出したシドロビッチの話に耳を傾ける
ゾーンでは与太話と法螺話と怖い話に不自由しない
「……前にCNPPから帰ってきたという、刺青の男が使っていたんだ」
弾倉を抜いて、ボルトを引いてからシドロビッチは慣れた手つきで銃を差し出してきた

受け取った私は彼と同じように、中指でボルトを引いて指を排莢口に突っ込み、抜弾を確かめた
「見た目は変わらんだろうが、奴は賢い男でな……中身だけをカスタムしたようだ」
シドロビッチは手書きの仕様表を広げて見せてくれた
製作したのは旧陸軍基地にいる、フリーダム派閥の酒好きなガンスミスのようだ
なるほど、この銃の前の持ち主は精度と耐久性の向上を図ったのがわかる、それもバランスを意識しながら
スナイパーライフルのような精度を出そうとすると、各部の動作がシビアになってしまうだろう
Yanterの沼地に水着の女を放り出すようなものだ
あっという間にボロボロにされるのが目に見える

外で少し試射をさせてもらったが、このAKはよく出来ているようだ
使い込まれた銃だが、小奇麗で部品の当りがほどよくとれている……ジャムはなかった
作った人間と依頼者は銃のことによほど詳しいと思われる
「安くは出来ねえぞ、だが、コイツなら必ずCNPPまでお前さんを誘ってくれるだろうよ」
シドロビッチは黄色っぽくなった歯を見せると、初めて笑った
伊達に長くこのZONEで商売をしていないようだ、私は有り金の半分近くを一挺のライフルに支払った
「こいつはサービスだ」と言って、シドロビッチはライフルにスコープをつけてくれた
明日はきっとブロウアウトが起きると、私は確信した

次にセカンダリー用のピストルを選ぶ
これは昔、軍隊で使っていた時と同じくSIG、それもP220の9ミリを選んだ
45口径モデルもあったが、反動がキツいので遠慮しておく
装弾数は少ないが、ゾーンで出回っているピストルで信頼できそうなのはこれが一番だ
弾のたくさん入る、P226がなかったのが残念でならないが仕方ない
弾速の速いホローポイント弾なら、よほど強靭な筋肉と骨で覆われたミュータントでもいないかぎりは、通用するだろう
軽くて取り回しの良さそうなウインチェスターもあったので、ダブルオーバックとスラッグ弾と併せて手に入れることにした

あとはPDAの地図とリンクできるアノマリー探知機と、アノマリー漬けにされた変わった(やたらと丈夫な布と化している)ジャケットを買った
最後に、残った金でGPS発信機を買う
私の目的はCNPPの石棺に今も残るといわれる、モノリスの位置をこれでマーキングすることだ
本当に実在するか、果たして知らないが……それが私の受けた使命、いや、啓示だ
踵を返して、外へと続く階段を上がりはじめた私の背中に、
「グッドハンティング、ストーカー」とシドロビッチの言葉がかけられた
鋼鉄の頑丈そうなドアの閉じる音が後から響く

さあ、旅の始まりだ
ゾーンよ、私は帰ってきた
私は先人の足跡をこれから辿るのだろう、モノリスの真実を確かめるために

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