2014-10-24 ― S.T.A.L.K.E.R.

実際にプレイすると30分足らずのところなのに、文字にしてみると長い長い
単に自分がテンポよく進められない未熟者なんだろうけど
ドンパチというのは、実のところ文字に起こすのがとても難しい
視覚的に彼我の位置関係を描写しにくいのと、銃のことをよく知らない人にわかりやすく伝えるのが特に
それでいて、詳しい人に突っ込まれにくいディテールも必要で……バランスをどうしたものか
自分の書き方だと装填と抜弾の確認がしつこいかも
でも引き金を絞った時に必ず弾が出るのと、暴発を未然に防ぐのは同じくらい大事なんだとわかって欲しくて、つい
例えば初回で中指を排莢口に突っ込んで抜弾を確認していたけど、これにも意味があったり
人差し指を突っ込んでもいいけど、引き金を扱う大事な指だから怪我しないようにしてるということ(慎重な人なんだね、きっと)

 

とにかく続き
ニンブル救出まで

ルーキーキャンプを訪ねて、ウルフに取り次いでもらうと新米のストーカーに廃屋の地下室へと案内された
「ウオツカは?」
下戸なんだと首を振った私に、ウルフは気を悪くした様子もなく本題に入る
「そうか。珍しいな……ニンブルという、俺と同じく古参のストーカーがいるんだが。彼がいなくなってしまったんだ。探索から戻ってきた他の若いやつが言うには、ここから少し行った廃工場のあたりで見かけたそうだ。ただ、悪いことにそこは近頃バンディッツのクソどもが根城にしているって噂がある」
彼はさらに、そこそこ経験のある若手のストーカーを偵察に向かわせたことを語った
「バンディッツの姿は確認できるが、ニンブルの姿は確認できないという話だ。あいつは抜け目のない男だから、時間稼ぎをしているんだろう。ただ、戦闘は苦手だって言ってたから、自力での脱出は難しいと思う。救出に手を貸してくれないか?」
正直に言って、私の「仕事」とは何の関係もない話ではある
しかし、他のストーカーとの関係はなるべく良好でありたい……バンディッツは理屈も通じない、ミュータント並みに凶暴な野盗だという
放っておいたらニンブルとやらはどんな目に遭うか知れない
私はウルフに現状をもう少し詳しく聞いた
敵側の人数は7人から8人で、救出チームは私を入れても4人しか割けない、その上、キャンプの防衛のためにウルフはこの場に残らなければいけないのだそうだ
バンディッツの練度は低い、うまく奇襲できれば兵力差は埋められるかもしれないと私はウルフに言った
細かい作戦については、実際に現地で偵察をしてからでないと、なんとも言えないが
すると彼はすぐに決断した
「……わかった。アンタが指揮を執ってくれ、責任は俺が持つ。合流地点をPDAに送る。それから合言葉だ、絶対に間違うな」
私は背負っていたライフルの装填を確かめると駆け出した
背後でウルフが、先行している部下たちに無線で指示を飛ばすのを聞きながら

野犬の吠える農場跡地が見えてくると、私は方角を確かめた
双眼鏡を除くと、偵察に出ていたウルフの部下らしき背中が見えた
姿勢を低くして、静かに私は彼らの後方につくと、ウルフから教わった合言葉をつぶやいた
「アンタが、ウルフの言ってた奴か。トリックを助けてくれて、ありがとうよ」
「なんか、普通って感じだな……? ウルフの話じゃ、経験豊富って話だったが」
双眼鏡で様子を見ている男の横にいた2人が口々に言った
無駄口に付き合わず、私は状況を訊いた
「ああ、聞いてくれ。正面の入り口の左右に見張りが1人ずつ、それ以外では左右の建物に数人ずつと、向こうの古いトンネルに続いている道に見張りが1人いる。ニンブルがいるのは、おそらく左手側の建物だ。あと、その建物のバルコニーにも見張りがいる」
バンディッツたちは、ずいぶん散らばっているようだ
見張りはともかく、ニンブルの仲間が助けに来ることを警戒して、人質と1箇所に固まっていることを危惧していた私は、相手が考えなしの野盗だという認識を強めた
当初、私は爆発を陽動にして相手を散らしてから狙撃で各個撃破しようとしていた
そのためにいくつかグレネードを用意してきたのだが
「どうする? 俺たちはアンタに従うが、突っ込むか?」
私は首を振った
「じゃあどうすんだ!? このままじゃニンブルが殺されちまうぞ!」
わざわざ囁かなくても、そんなことはわかっている

私は作戦を立てた
2手に分かれて私がバンディッツを燻り出す、それを偵察兵たちに迎え撃ってもらうというものだ
「そう、上手くいくもんかな……? スモークグレネードだけで」
私は頷いてみせた
私は姿勢を低くして、バンディッツの見張りがいる正面の入り口まで接近した
スモークグレネードのピンを抜いて、見張りのいる部屋に放り込むと同時に私は動いた
「ウー! マツバショ!」
ピストルを抜いて、正面の入り口を横切ってもう片方の見張りが動く気配に合わせて、窓からピストルを突き出して何発か撃った
人が倒れる音
一気に車両工場が騒がしくなった
私はさらにスモークグレネードをもう1つ放り込むと、建物の壁伝いにまわりこむ
作戦では偵察兵たちには煙幕が見えたらそこに向かって撃ちまくれと言ってある
おそらく、バンディッツたちは怒って反撃に出るだろう……そしてその時、私は彼らの後ろに回りこんでいる
私はピストルからAKに持ち替えると耳を澄ませた
かすかに息づかいが聞こえる、それから男のうめき声
私は右利きだが、AKのストックを左肩に当てて左目で照準を覗いた
角を右に曲がるときに、こうすると身体の露出を抑えられるためだ
器用な人は、両手の握りを替えて構えるらしいが、私はそんなに自信家ではない
黒いジャケットの背中がが見えた、私はその背中に照準を合わせながら、さらに建物を回り込む
トンネルへと続く小道の見張りを先に片付けたかった
そうすれば、背後を気にせずに打って出られる

角を曲がろうとした時だ
「!?」
足音に身体が硬直した
私は駆け込んできたバンディッツと遭遇してしまう
どうやら、私は連中の練度を高く見積もっていたらしい
偵察兵たちに応戦するかと思いきや、我先に逃げ出したのがいたようだ
「っ!? プリクッ――」
逃げ出したバンディッツは慌てて水平2連のショットガンを私に構えたが、私も同時に動いていた
AKの銃身をショットガンの銃身にぶつけて、銃剣術の要領で彼のショットガンを弾き飛ばした
「!」
バンディッツが呆気にとられる暇を与えず、私は左手の掌底で彼の胸を押して転ばせる
下を向いていたAKの銃口を適当に合わせて撃った
1発で彼の体は芋虫のように丸まったが、私はもう1発撃った
2人目を片付けたところで、私は先ほどと同じ要領で左肩を使ってAKを構えながら、角を曲がった
煙が薄れ始め、バンディッツたちは偵察兵と応戦している
私の発砲は幸いにも彼らの注意を惹いていないようだ
おそらく自分たちの発砲音にまぎれてしまったのだろう
私は廃車になっているバスのボンネットを盾にして、AKを構えると彼らの背中に規則正しいリズムで撃った
不意打ちが成功して、偵察兵たちを撃っていたバンディッツは次々にその場に倒れていった

あとは、ニンブルが囚われていると思しき建物の掃討だ、私は目的の建物にとりついた
耳を済ませると、バンディッツの喚く声が2階から聞こえてきた、多分、彼がリーダーなんだろう
私は2階に続く非常ハシゴに手をかけると、ピストルを抜いた
バルコニーで喚いている男の足を撃ってその場に転ばせると、私は2階に跳び上がった
悪態をつきながら喚いているバンディッツのリーダーに、さらに2発撃ちこんで黙らせると、ピストルを構えて突入する
2階には誰も居ない
「ボス! ボス!? 畜生! 何がどうなってんだ! おい! 手前ぇの仲間は何人いやがんだ!?」
階下からバンディッツの声がした
間違いない
バンディッツとニンブルがこの下にいる私は階段を見つけて、そこから下を覗こうと近づいた
その瞬間、すぐ傍の床板が爆ぜた
バンディッツが、床板ごと私を撃とうとしたのだ
舌打ちして、私は転がるように脱兎のごとく走りだした、その足音に合わせてバンディッツは撃ってくる
私は壁を背にして、何発か階段にピストルを撃ちこんで弾倉を替えた
これ以上の強行突入は分が悪い……私は少し考えて、先ほど倒したバンディッツのリーダーを一瞥した
死体を蹴飛ばして、地面に落とした私は息を止めて待った
しばらくすると、バンディッツの足音が階下から響いた彼が先ほどの物音の正体を確かめる方に賭けた
意を決してAKを構えるとバルコニーから身を乗り出した
さきほどの死体を調べるバンディッツの生き残りが見えた
私の気配に気づいて、彼が銃を構える前に私は撃った

念のため、車両工場をひと回りしてバンディッツが残っていないの確かめると、私はニンブルが捕らえられていた建物に戻った
「生きてるか!? おおい!」
こちらの台詞を先にとられた私は、後ろ手に縛られたニンブルに味方だと告げて近づいた
「本当にありがとう、助かったよ。兄弟」
ゾーンでは日に2度も同じことを言われる日があるようだ
私は無線を取り出すと、ニンブルの救出を偵察兵たちに告げた
彼らが車両工場までやって来る間に、私はウルフにニンブルの救出とバンディッツの掃討に成功したと報告した
車両工場に転がっている、バンディッツの死体の始末……残酷なようだが、血の臭いでミュータントが集まってくるのを避けるため、死体はアノマリーで粉々にするのがゾーンでの習わしだ
その後始末を偵察兵たちに任せて、私はニンブルと一緒にルーキーキャンプへと戻った
道すがら、彼はバンディッツに時間稼ぎ代わりに教えた「宝箱」の座標を礼がわりに教えてくれた
ルーキーキャンプでは、この辺りを根城にしているストーカーが全員集まって、私たちの生還を歓迎した
「ここに残って、俺と一緒に新兵を訓練してくれないか」
ウルフはそう言ったが、私は首を振った
「ならせめて報酬だけ受け取ってくれ、現金か物か好きな方を選んでいい。物はシドに預けてある」
その後は宴会が開かれた
私は新兵たちにどんなトリックをつかったのか、何度か同じ話をさせられた
ただ、ゾーンにいるストーカーは誰と言わず、外の世界で事情を持つ人間が多いため、私の過去を訊く者はいなかった

シドロビッチのところに顔を出すなり「ウルフから聞いてるぜ」と言われた
「お前さんはどこまでも妙なストーカーだな。このゾーンで、一杯のウオツカ以外に何を楽しみにしてんだか」
そう言いながら、シドロビッチは貴重品を入れておくようなケースを開いた
「日本製だぜ……まさかウルフがこいつを人に譲るとはな」
ケースの中身は未開封の瓶に詰め込まれた、インスタントコーヒーの粉末だった
ルーキーキャンプに戻ると、ウルフに礼を述べて私は空き家の一室を借りた
珍しく夜更かして酒盛りを続ける賑やかな声を枕に、シュラフにくるまった

長い1日だった

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