2014-02-19 ― Project Zomboid

wetstone-note:

 定期的に思い出して遊びたくなるゲームの一つに、RogueLikeゲームがある。
 自動生成されたマップで遊ぶターン制RPGで、派生ゲームが無数にある。人生で一番最初に遊んだRogueLikeゲームはSFCの「トルネコの大冒険 不思議のダンジョン」で小学生の頃、次に触れたのは高校生の頃で、インターネットやりたくて買ったWindowsパソコン上でDOS窓を開き「NetHack」を遊んだ。

 トルネコは「普通に面白いゲーム」という程度の感覚で遊んでいたが、NetHackをやった時は、結構な驚き・衝撃を感じた。何に驚いたかと言えば、その時々の状況を打破する為に取れる選択肢の多さ。
 取れる行動が多く、やればやるほど (=死ねば死ぬ程) “出来る事” を理解し上達していく実感を得られるのと同時に、出来る事の多さから “仮想現実” を感じられるのが物凄く面白かった。今にして思えば、オープンワールド系ゲームの元祖と言っても良いのかも知れない。(ちなみに始祖にして今尚何者も超える事の出来ない究極のオープンワールド系RPGはTRPGだと思う)
 実際、最初はダンジョンのみがプレイフィールドだったRogueLikeゲームも、派生を重ねる内にダンジョンの外でも行動出来るようになり、NPCのバリエーションも増え、ゲームによっては大目標とは別の小目標をクエストの形で受託出来るようになったりもしている。大抵の派生版で、やはり初手から行動が制限される事もなく、用意された世界の中で自由に振る舞う事が出来る。
 改めて考えると、これぞまさにオープンワールド系RPG、といったシステムだと思う。(ターン制ではあるものの)

 そんなRoguelikeゲームの匂いを感じるゲームの一つに「Project Zomboid」がある。
 一言で言うと2Dクォータービューのゾンビサバイバルゲームで、「プレイヤーが死ぬまでの物語」という、死ぬことを前提としたコンセプトの元、開発が続けられいる。
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 もし実際にゾンビアポカリプスの世界でサバイバルする事になったら…をリアルに考え、シビアにゲームデザインしている印象が強く、「死ぬ事を前提としたゲーム」と言っても、その死に理不尽さを感じる事は少ない。
 怪我をしたら痛みを感じて能力が落ちる上、薬を飲めば即座に怪我が治る、といった様な事もない。またその怪我の原因がゾンビに依るものであれば、感染の可能性に怯える事となる。
 寒さ・暑さ等様々な諸条件で病気になり、治らぬまま無理をすれば死亡してしまう。
 食事を取らねば死んでしまうが、口に含めるからと言ってそれが安全な食材かどうかは分からない。生食は危険だ、と調理する際、オーブンを消し忘れれば火災も発生する。また数ヶ月もすれば電気や水道と言ったインフラが止まってしまう。飲料水を得る為に雨水を貯める工夫、冷蔵庫で腐りゆく食材を横目に畑を耕す必要も出てくるかも知れない。
 そうだ、拠点の強化も重要だ。灯りにゾンビが群がらぬ様、シーツで窓を覆う必要がある。窓ガラスを割り侵入されぬ様、木板を窓に打ち付けるのはどうだろう。いっその事、安全な砦を自分自身で建てるのも良いかも知れない。
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 と、この取れる行動の多さ故の手探り感と、リアルよりのゲームデザインからくる死に易さ、また “出来る事” の把握が進むにつれ生存期間が伸びて行くのが非常にRogueLikeゲームっぽい。他にも、他のオープンワールド・サンドボックス系のサバイバルゲームと違い、見下ろし型の2Dゲームであるのも、”っぽさ” を感じる要因の1つ。
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 マップこそ固定だけれど十二分に広く、理不尽ではない死に覚えゲーである為、再挑戦への意欲も高まりリプレイ性も高い。リプレイの度にマップが変化する様な事はないが、ここ数年RogueLikeを謳うゲームが数多く出ているけれど、Project Zomboidは特にRogueLikeっぽさを感じたゲームだ。
 勿論RogueLike風であるという事を除いても (Roguelikeゲームを知らなくても)、ゾンビサバイバルのシミュレータ的な要素を十分に楽しめる。

 そしてこの最高に楽しいゾンビサバイバルゲームのProject Zomboid、何とつい最近マルチプレイのパブリックβが開始された。
 早速サーバをたて、マルチプレイを試してみたが、これまたかなり面白い。

 雑感としては、まだマルチ対応バージョンのβかつファーストビルドという事もあって、バランスや挙動の面でだいぶ荒削りなところがある事は否めない。
 また、ここまででZomboidの魅力の主軸部分として挙げているRogueLikeっぽさは相互扶助が可能になった分だけスポイルされている。

 ではマルチは魅力に欠けるのか、と言えば全くそんな事はない。
 シングルで遊ぶ際とは異なったゲーム性を持ったものとして非常に魅力的なものになっている。

 相互扶助によってスポイルされるRogueLike風プレイ感の裏返しとして、他のプレイヤーと行動を共に出来る、またその真逆の「殺し合いになるかも知れない」という不信感等、シングルプレイの時にはあり得なかった形での不確定要因が増した事、他のプレイヤーがいる事で感じられる生活臭等から、そもそものコンセプトである「死ぬまでの物語」としてのサバイバル感が加速され、前述の様にシングル時とは違った形での面白さが得られる様になった。
 正確には、サバイバル感を高める要素の内、負傷や病気、睡眠等の処理が緩くなっている、もしくは実装されていないという事もあり、若干の物足りなさを感じはするのだが、前述でも述べている様にファーストビルドであり、フォーラムでもマルチではどの様にするのが良いかテスターから広く意見を募ってもいる。
 今後のバージョンアップよって、Project Zomboid本来の持ち味である、他の追従を許さないシビアなサバイバル要素とゲーム性の両立を、巧くマルチプレイにも取り込む事が出来れば、他のマルチ対応ゾンビサバイバルゲームとは一線を画すゲームになるだろうという期待が高まる。

 そんな訳でProject Zomboidは手探りでの進行や、死ぬことが前提のゲームデザイン、またここでは触れなかったが洗練されているとは言い難い操作感から、取っ付きにくいゲームではあるが、サバイバルゲーム、オープンワールドゲーム、サンドボックスゲームの好きであれば、RogueLikeゲーム由縁の再現なくプレイし続けてしまう中毒性がある。
 シングルプレイに限って言えば、Steamストアページからデモ版をダウンロードし遊ぶことも可能 (スタート時からゾンビウィルスに感染しているので、遊べる時間に制限がある) なので、興味の沸いた方は是非一度プレイしてみて欲しい。

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