「魔法中年っ!」感想文

 鼻炎起因の発熱。顔(鼻の脇)が痛いから「これは」と思い鼻うがいしたら、真っ黄色の膿々鼻汁どろどろりん。こんだけ詰まってりゃ顔も痛くなるわ。最近寝起きに痰酷いなぁ、と思っていたけれど、これは喉じゃなくて鼻からだな間違いなく。

 そんな訳で大絶賛中年期に差し掛かりつつあるユキチはKDPで発刊されている「魔法中年っ!」を読みました。
 設定は童貞のまま30歳の誕生日を迎えた主人公が、ふとした弾みで呼び出した悪魔と契約して魔法使いになる、というもの。おっと足りない、魔法使いになり「美少女」に返信し女子校で生活するというもの (うわぁ…)。前述の様に主人公は悪魔と契約し、更にその後「美少女」として生活する為に魔王軍に所属してしまう。とは言っても、この世界の「悪魔」の設定は優しい (ないし綺麗な) キュウべえと言ったところで、人間の「欲望」が糧だからエネルギー源である人間は大事に保護しないとね、というもの。

 最初、読んでいて感じたのは「設定があんまり活かせてない?」というもの。女子校で生活する理由は魔王軍の指令による潜入調査なので「溶けこまない」といけないものなんだけれど、何か極自然に違和感なく溶け込んでるんだよね。ええー?美少女に化けて女子校で生活って言ったらもっとアレゲな感じになるんじゃないの?そういう話じゃないの?と思ったりしたんですね。
 でも丁寧に描かれている話を読み進む内に、ああ、これはこれで正しいのか、と。というのは、設定こそコミカルなんだけれど、キャラ付けはリアル(というのもちょっと違うかな、でも現実味を帯びた方向)だからそう感じたんだなぁ、と思った訳です。
 冒頭で説明した様に、主人公は確かに30歳童貞というアレゲなキャラ付けなんだけれど、ニートではなく社会人。それと「魔王軍に所属」っていうのも午前9時から午後6時勤務 (任務内容的にみなし時間の裁量制) 月給402,000円という社会人の延長としての所属でもある。常識ある社会人で、かつ「仕事として」(勿論本人の夢だった部分もあるだろうけれど) 女子高生生活を送ってる、と現実的に (ありえない現実だけど!) 考えると、ああ、なるほどこんな感じになるか、と納得。
 感じた違和感が消えると先の展開が気になり、また読み進めるのを邪魔しない素直な文体なので気持よく読めた。

 あるべき葛藤もあり (美少女になったから皆と仲良く出来たけれど、現時点で「女性」である以上その先はないし…等)、微百合展開の萌えもあり、また期待を裏切らない「全くパッとした青春を送れなかったおっさんらしい」説教 (良い意味で) もあり、そして最後はヘタレ男子必死系の熱い展開もあり、抑えるべきところはちゃんと抑えていて期待を裏切らない。ギャグ・ノリで終わっちゃいそうな設定なのに、こんな風に書けるんだーと感心。
 丁寧過ぎてやや淡々としている様に感じるところも無きにしもあらずだけれど、全体としては面白かったです。

 シリーズの続きも出ているんだけれど、設定の前提条件が微妙に変わってしまっている様で、気になりつつも後回しになってるので、これも近々読んでみよう。

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