2014-12-24 ― エイリアン2

完璧な映画というのは、まあ、北朝鮮や中国で公開される抗日映画以外に滅多にないものだけど
それでも、100人中55人くらいに「面白い」と言わせしめるだけの映画は結構あると思うの
とりわけ儂が好きなのはエイリアン2とターミネーター2
どっちも2
どっちもジェームズキャメロン
特にそれ自体には意味はないんだけど、このジェームズキャメロンという監督は
凄く、ディテールやバックグラウンド(どちらもキャラクターに絡んだもの)にこだわる人だと思う
しかも、それを説明的にならないように、映画の自然な流れの中で見せてくれるのが凄い
とりわけ、エリアン2とターミネーター2はそれが凝縮された映画だと感じる
もっとストレートにいうと(大作なのに)無駄のない映画という感じだろうか
エイリアン2にいたっては、冒頭からエイリアンが登場して、海兵隊に襲いかかるのが1時間14分過ぎてから
普通の映画だったら、とっくにバスとかガソリンスタンドとか地下室とか物置とか、シュワルツネッガーが見つけた何かが大爆発を起こしているくらいの時間だ
元々の映画が2時間半を超える大作というのもあるけど、こんなに退屈せず見てられる映画というのは滅多にない
アラビアのロレンスは大作映画だけど、見てる間に半分くらいの人が寝てしまう
別にどっちが上か下かの話をしたいんじゃなくて「エイリアン2って面白いよ」というのがこの日記の主旨
話を戻すけど、エイリアン2では怪物が出てくるのが映画のちょうど半ば
ここから真の物語、リプリーの恐怖が蘇るんだけど
じゃあそれまで何してたかって言うと、リプリーが失業(停職?)します
たったこれだけ書くと「なに言ってんだこの馬鹿」という感じになっちゃうな

 

※以下、映画(エイリアン1+2+3)の内容を盛大にネタバレしているので注意
(こんな古い映画のあらすじネタバレも糞もねえよ)

第1作で辛くも生還を果たしたリプリー(+猫)
ただ、孤軍奮闘して無事救助されたリプリーに待っていたのは、辛い現実だった
まずは、救命艇が軌道上で救助されたのは57年後というアクシデントがひとつ
そしてこれが最も不幸な出来事だが、彼女が冷凍睡眠中にリプリーの娘が死亡している
冷凍睡眠の前、リプリーは娘に「次の誕生日には会える」と言っていたのだが……
そして憔悴しきった彼女に対して、もうひとつ、現実的な悲劇が襲う
なんでも、1の時にエイリアンを退治するために独断で宇宙船をぶっ壊したことが問題になったのだとか
お前らな、60年近く前に沈んだ船のことでグダグタ抜かしてんじゃねえよ
それ以前に、リプリーから奪った57年間の人生にどう法的責任を負うつもりなんだゴラぁ
という観客の苛立ちは、まるで宇宙での悲鳴みたいに聞こえなくなり、リプリーに淡々と罰が下される
リプリーはエイリアンの存在とその脅威、そしてアンドロイドの暴走が全ての原因だと主張したようだが
彼女の声はかき消されてしまう、そして判決……リプリーの航海士の資格は停止されることとなる
きちんと法的責任を問う、刑事裁判だったらこうまで話はすんなりいかないだろうけど、民事だからこれ
正義とかどうでもいいのよね、民事裁判は
あと、社会のモデルが多分アメリカのままだからこれ……仕方ないね
閉廷直後、リプリーは偉い人に詰め寄って問題の植民星の調査を提案するが冷然と拒否される
偉い人が言うには、20年以上前から入植が始まっており、今まで問題は起きていないそうだ
果たしてリプリーは作業用パワードスーツの免許を生かして再就職するものの、彼女は毎晩悪夢にうなされる
そんな折、裁判の時にあまり役に立たなかったリプリーの自称味方、ウェイランド社のバークが軍人を連れて訪ねてくる
バークは件の植民星との連絡が途絶えたこと、海兵隊が救助に向かうことを話して、リプリーに同行を頼む
リプリーはバークの話に聞く耳持たず、二人を追い返すのだが
その夜、彼女は再び、あの悪夢を見て未明に目を覚ます
リプリーはバークを呼び出して、救助隊への同行を志願するのだった
彼女はこんどこそ、自分の手で決着をつけるつもりなのか、リプリーの瞳には強い光が宿っているようにも見える

ここまで、記憶を頼りに流れをおさらいしたけど
ほんとに無駄のない良い映画だこれ
3もさ、導入はリプリーをどん底に落とすまでは良いんだよ
良いんだけど、その後がね……その後がちょっと……いや、なんだ、糞じゃん?
4?知らね

あと、娯楽映画なだけあって、エイリアン2はキャラクターの役割とか立ち位置とかが、見ていて凄くわかりやすい
そう特に大事なのは、最初の関係と映画のストーリーを追っていくに連れて、キャラクター同士の関係が変化していくのがやっぱり見ていてわかりやすい
バークとか凄く良いキャラだよ
前は大嫌いだったけど、今も嫌いだけど、キャラとして絶対必要だと思ってる
最初は良い人→なんかコイツ臭くね?→社畜どころかとんだ悪人じゃねえか→ざまあw
というのが彼の立ち位置と役割
彼とほぼ反対(リプリーにとって)の立ち位置にいるのがビショップ
悪い人がいるように、良い人も配置するのが娯楽映画ではきっと大事
あと子供殺しちゃ駄目ね

おい、AVP2! 貴様だ貴様!
最初はインパクトあって良いかと思ったけど、よく考えたらダメだろあの導入
ランボーを見習えよ! それとも見習ってあの程度なのか!? チェストバスター喉に詰まらせておっ死ね!
あと画面暗すぎ舐めてんのか、観客はプレデターみたいに赤外線で物を見てるんじゃねえぞ、覚えとけ

エイリアン2に戻るけど、クライマックスのさ、リプリーの孤軍奮闘を見ろよ
ニュート(メスガキ)につけた発信機を追いかけて、唯一の生存者である女の子を捜すリプリー
探知機に従って、策敵しながら進む彼女は床に落ちた発信機を見つけて愕然と膝をつく
彼女は憮然とそのまま動けないでいたが、不意にニュートの悲鳴を聞く
「あの子がまだ生きている!」声に出さず、猛然と立ち上がって足をもつれさせながら駆け出す
リプリーはニュートの名前を呼んで辺りを捜し、やがて繭に埋め込まれた少女を見つける
なんて素晴らしい場面なんだろう
感情の起伏がこれほどはっきり落差、いや断崖を描くところ
リプリーという女性の、人間としての魅力、優しさや強さを強烈に印象付けるシーンだと思う
その後の、女王と対峙した時のリプリーの駆け引きは映画史に残すべき名シーンのはず

ほんとこういうのって、大事なんだなあ
天性の勘が備わっている人は、こういうのを自然と構築できるのかもしれないけど、自分にはとても難しい
正直真似したいけどできねぇええと嘆き苦しむ
真似してるうちに、ちょっと上手くはなるのかもしれないけど

あわせて読みたい

コメントを残す