2015-06-02

周期的に時代モノの作品に触れたくなる症候群を発病
ほんとはフリンジ(シーズン2まで)の感想だったけど差し替え

近ごろは珍しくテレビドラマを見はじめる
あいにく大河ドラマではなく、NHKでやってる前田慶次のヤツ
実は途中から見始めたんだけど、これがなかなか切り口が面白い(上から目線)
前田慶次郎利益っていうと、世間的には傾奇者の武辺者のイタズラ大好き人間というイメージが固定化されている
これも全て、隆慶一郎の『一夢庵風流記』とそれを原作に原哲夫が漫画に起こした『花の慶次-雲のかなたに-』
この両作品の影響がとても大きいはず

それ以前はというと、イメージが固定化されるも何も「誰も知らない前田家の人」または「前田利家の親戚か何か」
という印象ならまだ良い方で、そもそも存在自体を知られていなかったのではと思う
小説と漫画で形作られたイメージが、今度は「戦国BASARA」とかのゲームや「花の慶次」を原作にしたパチンコなどで新しい花を開かせたり
また回帰するように、小説や漫画がスポットを浴びて
そんな感じで前田慶次郎という人がだんだん世間的に認知されていった中、金沢と東京が新幹線で今年結ばれる
金沢といえば百万石の加賀藩、絢爛豪華な文化の都
そんな加賀藩の礎を築いた前田利家とその正室のまつ
そういえば、もう一人、加賀には有名人がいたなあ(棒読み)……あ、閃いた!

妙に良いタイミングで始まったのが『かぶき者 慶次』
そもそも血筋は前田家とはほとんど縁のない人(実父は滝川益氏という説あり……この辺は長いから省略)で、若い時は松風跨って関東周辺を駆けまわってた
ついでに(花の慶次では)大道寺政繁と一騎打ちしたりもしてた
慶次に関しては史実的には詳しいところはよくわかってないらしく、創作のキャラクターとしては実に都合が良い

ただ、その歴史的な立ち位置は色々と不遇だというのが、調べていくとよくわかる
その鬱憤を晴らしているかのような、数々のイタズラを考えついては騒ぎを起こす困った人だという面白エピソードは事欠かない
ただ、単なる傾奇者にない高い教養と武辺ぶりの噂は時の権力者、豊臣秀吉の耳にも入るほど
で、『かぶき者 慶次』なんだけど
まず、始まる時が面白い
なんと関ヶ原の後の時代で慶次は米沢で隠居の身
見た目はなんかむさいオッサン(というか爺さん)
それもそのはずで、慶次は年齢的には秀吉とほぼ同じ年になる

なんと関ヶ原の時には既に60歳近いはず(その割に白河の撤退戦では最前線に出て武功を立ててるが)
伝承では慶次は米沢に移ってからは隠居同然で、二千石とそこそこ(この時徳川からの制裁で三十万石に減封された上杉家としては破格ともいう)の禄高をもらって悠々と嘯月吟歌(しょうげつぎんか)の日々を送ることに
どう考えても、金沢に戻った方が良い暮らしが出来たはずなのに
直江兼続と上杉景勝が好きすぎて、絶対に金沢には戻らなかった
ただ、米沢に移ってから骨を埋めるまでの十数年、その変わり者ぶりが記録や逸話として少し残っていたり
そうしたものや、前田慶次といえばこれと言われる、色々な面白ネタが『かぶき者 慶次』を彩る
個人的に気になったのが、慶次と仲の良かったはずの『天地人』で一躍有名になった直江兼続が不自然なくらい出てこないこと
というのも、このドラマの主軸は米沢でともに暮らす、慶次の息子(養子)の出自が重要な伏線で、どう考えてもそこを繋いだ人物が直江兼続なのだが
影も形もない

まあ、ぶっちゃけた話
※以下ドラマのネタバレを含む
石田三成の隠し子を慶次に預けるっていう点で
三成と義兄弟(今で言うズッ友)だった兼続を頼るほうが自然で、兼続は自分が直接関わると色々政治的に不味いから
米沢に住んでる知り合いで、最も信頼できる知人として慶次を頼った……という流れが自然かな、と
つまりは安田能元とか別にいいから兼続出せよ、という個人的感想
まあ、兼続と安田能元は滅茶苦茶仲が悪かったという話だから、出すに出せなかったのか
いやこの脚本家、そこまで考えて書いてないわな、絶対
それよりも、このドラマで毎度困っては逆転する慶次の活躍が、直江兼続が出てくるだけで解決してしまうのがほとんどだったり
最悪、名前出すだけで相手は怯んでしまうから、出すに出せないんだろうなあ……
いやしかし、兼続を出さないとそもそもなんで縁もゆかりもない米沢くんだりに、あの前田慶次が住んでるのか、その必然性が生まれないだろう

と、にわか知識を持つ自分などは首をかしげる
でもドラマが面白いから、そんなに深くは悩まないで見てる
とっくに別れた(離縁はしてなかったのかな?)、金沢の奥さんが訪ねてきて、しどろもどろになっちゃう慶次は見ててちょっと可愛い

というかね、今の糞評判の悪い大河ドラマ捨てて
前田慶次を主人公にして、原作は『一夢庵風流記』で大河ドラマを作ればいいじゃん
キャスティングが凄い大変かもしれないけど、絶対視聴率とれるって、これ
家督を利家にとられちゃうところから初めて、松風との出会い、関東での大暴れ
そして金沢でのイタズラ三昧の日々で利家激おこ→金沢出奔からの天下見物
京都に行けば行ったで、おとなしくしてるわけがなし
男見物に奥州まで行き花見を邪魔した伊達政宗を鉄拳制裁からの小田原北条攻め
そしてラストは温泉でオールスター揃い踏みの上、秀吉に「百万石の酒ぞ」と酌をさせる
ほんとはそこからの朝鮮遠征も面白いけど、そっちは島津でやってほしいから以下略

もしボツにしたら森長可が主人公のドラマはよ
OK?ズドン

あわせて読みたい

コメントを残す