2016-10-17

日産のマーチが新しくなる
その上、デザインが凄い格好良い

【パリモーターショー16】日産 マーチ 新型、車載インフォが充実
なんか楽しくなってきたので、新しいマーチへの期待を込めた記事(日記)

1974年、フォルクスワーゲンのゴルフが誕生した時から世界の大衆車は一変したといって良い
ゴルフが日本で販売されたのはその翌年だけど、大昔のことだから誤差だよ誤差
今となっては、お金に余裕のある人しかローンを組めない、ちょっとした高級車になっているが
当時は間違いなく大衆車で、そして後の時代に至るまで、ファミリーカーのお手本であり続けている
例の排ガス問題が露呈するまでは……

それから遅れること数年、ダイハツから名車が誕生した
車名を言わないと誰も存在を思い出せないので挙げるが、勿論シャレードである

ダイハツ初のFF小型車だ
どこから見ても、ジウジアーロがデザインしていないゴルフによく似た別の車だ
トヨタがスターレットをモデルチェンジするより早く、ダイハツはこれを世に出した
以下はウィキペディアの引用だが
フロントに横置き搭載された3気筒のCB型1.0Lエンジンと、やや背の高い2ボックスの車体の組み合わせは小ぶりながら優れたパッケージングで、広い室内空間と合理的な駆動レイアウトで、新たな小型車の方向性を打ち出した。
エンジンの事を除けば、ゴルフそのままに見えなくもない

意外なことに、日本の大衆車の筆頭、日産マーチが出て来るまで、まだ5年近くのブランクがある
日産マーチのスタートは
“1981年10月に開催された第24回東京モーターショーに「NX-018」の名で参考出品。長期に渡るプレキャンペーンが展開され、一般公募により車名が「マーチ」と決定された後、1982年10月に発売された。”
とある
スターレットのモデルチェンジも落ち着いた頃に、満を持して発売されたと見ていいのだろうか

この時点で、シャレードの命数は尽きたように思われるが、意外としぶとく生き残るのが興味深い
そのタフさは、1993年のWRC、サファリ・ラリーで総合5、6位入賞という快挙で証明されているが、トヨタのセリカ勢の大活躍によってやはり目立たつことはなかった……

こうして、各メーカーはコンパクトカーの開発に凌ぎを削っていくことになるのだが
トヨタのスターレットも、ダイハツのシャレードも、モデルチェンジによって格好がガラリと変わることはなく、相変わらず小さくなったゴルフ、またはFIATパンダみたいなFF小型ハッチバックを継承していく
余談だが、FIATパンダはジウジアーロがデザインしている
21世紀に入っても、相変わらずなのかと思いきや
スターレットもシャレードも、それぞれ1999年と2000年を期に販売を終えてしまっている
残ったのは最後発のマーチとなった

そして2002年
三代目となったマーチのデザインが、それまでのFF小型ハッチバックの姿から脱皮する
って……これ
どう見てもアレじゃないか
VWビートル
言わずと知れた、大衆車の原点だ
車に興味のない哀れで貧しい感性の人でも、あるいは未開のジャングルのそばに住んでいる原住民ですら、写真を見れば「見たことある」と答えるだろう
折しも日産はルノーと合併しており、以降の日産車はどことなくヨーロッパの香り(どんな匂いか知らないが)を漂わせていく
しかしVWゴルフを出発点としたFF小型ハッチバックが進化した姿が、1938年に販売の始まったアドルフ・ヒトラーを母に持つ車というのが実に興味深い

ところで、ビートルという車も、古すぎて少しの説明を付け足した方が良いだろうか
歴史的な名車ということもあって、ウィキペディアの記述は辞書というより、歴史のレポートのようだが
ヒトラー自身が車大好き人間だったこともあり、そのコンセプトは具体的な性能にも言及された

・頑丈で長期間大きな修繕を必要とせず、維持費が低廉であること
・標準的な家族である大人2人と子供3人が乗車可能なこと(すなわち、成人であれば4人乗車可能な仕様である)
・連続巡航速度100km/h以上[注釈 1]
・7Lの燃料で100kmの走行が可能である(=1Lあたりの燃費が14.3km以上である)こと
・空冷エンジンの採用
・流線型ボディの採用
・この条件を満たしながら、1,000マルク以下で販売できる自動車を作ること

実に興味深いのが、この時代でもきちんと燃費について考えている点
しかもその数字が、今日においても「我慢できる」レベルであることは、素直に賞賛されるべきだろう

自国民を思いつきで迫害したり虐殺する糞袋以下の独裁者にしては珍しく、ヒトラーは結構偉業を成し遂げている
国民のために高速道路を整備したかと思えば、その道路を走る車を全国民が手に入れられるようにしたかったのだ
問題はそれらと並行して、国土が狭いなら隣から貰えばいいと本気で思っていた点だが……

とにかくVWビートルは大衆車として出発し、信じがたいことだが、初代ビートルの販売期間は1938年 – 2003年という、工業製品として見ても世界中で類を見ないほどの長寿を誇っていた
さらに凄いのがその生産台数
“累計生産台数「2152万9464台」の記録を打ち立てた”という
こんなに作られた車は、他にない
そして一瞬だけ、三代目マーチ(販売開始2002年)と重なっていた点も面白い

さて本題
今年の秋、パリでのモーターショーにおいて、新型のマーチがお披露目となった
実に見た目が格好良いが、2000年代後半にフォードのフィエスタが劇的なモデルチェンジを遂げ、マツダのデミオの大胆なモデルチェンジを経た今となっては、あまり新鮮さは感じられないような……
同じ頃にルノーは二代目トゥインゴを世に出したが、既にヨーロッパは新生FIAT500フィーバーに席巻されて手のつけられない状態となっており、ミニの名前で親しまれたあの名車はBMWが大きく重く不細工に作り直してしまった

新型マーチはマーチじゃないみたい、という声もある
地を這う働きアリのような初代から始まり、三代目で芋虫に退化し、四代目では救いようもないほど質を劣化させ、五代目には空を飛べそうなほど大胆なデザイン変更を与えられた
小型車戦国時代と化した世の中で、マーチは果たして日本の大衆車の地位を守り続けられるのだろうか

ところでルノーなのだが
マーチのモデルチェンジに先立って、トゥインゴのモデルチェンジを果たしている
明らかにFIAT500を意識したモデルチェンジに見えるが、こんなに小さいのにきちんと5ドアというのが素晴らしい
さらには昔のビートルのように駆動方式をRRとしたことで、信じられないほど小回りが利く車となっている
4人乗りを欲張り、そしてエンジンを後ろに載せた結果、トランクのスペースは小さく狭く、ゴルフバッグどころかペットを乗せれば動物虐待で訴えられかねない
こうなると、いにしえのVWビートルのように、ボンネットを開けて荷物を積めるものだろうと期待するのだが
ま っ た く そ ん な こ と は な か っ た
ウォッシャーやバッテリーなどの保守点検が出来るように、禿げていることを恥じた人のカツラが台風に遭遇した時のように、ちょっと剥ける程度だ
このように残念な点も見られるが、コンパクトなデザインやパッケージ、シンプルな実用性、それからRRという挙動の面白さ、運転の楽しさこの辺の魅力は新生マーチよりも上回っているのではないかと思ったり

というか、こっちをマーチとして売ればいいのに(これが言いたかっただけ)
どう考えても、あの新しいマーチが出たら、ますますノートの存在価値がなくなるじゃないか

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