2016-10-31

ハロウィンネタで何か書くべきなのかもしれないが
ケルトについては、アングロ、サクソンに迫害されたということ以外、何一つ知らないので、夕方のニュースで見た渋谷の交差点が凄かったとしか……
YouTubeで渋谷のスクランブル交差点のライブ配信をしているらしいので、見ておけば良かったという気がする

最近『湾岸ミッドナイト』を再読していて、ふと気になったクルマがある
Z32……と書いても、どんな車か誰も覚えていないので、四代目フェアレディZと訂正しよう

『湾岸ミッドナイト』でも詳しく述べられているのだが、このZ32という車は、ちょっと悲しみを背負っている
まず、世に出た時代が悪かった
R32 GTRこと三代目スカイラインGTRと同じ年に発売されている
時代はバブル好景気が失速に向かい始めた、89年で、以降、日本の経済は失速していくのは周知の通り
にも関わらず、GTRは二度のフルモデルチェンジを経て、性能アップが図られていく

一方で、Z32はというと10年間もの長期間に渡って販売されたにも関わらず、フルモデルチェンジは行われず、特に惜しまれることもなく世を去った
デザインこそスポーティで、馬力もツインターボモデルなら280馬力と、目に見えるわかりやすい部分はGTRと大差ない
むしろ空気抵抗が少ない分、最高速度は速いという話もあるくらいだったのだが

Z32とGTRは、決定的にエンジンの造りが違った
フェアレディZという車の歴史を見れば、無理もないことなのだが、Z32には(比較的)安価で、乗用車と同じV型6気筒の量産エンジンを載せられた
GTRには当たり前のように、レースを視野に入れた専用エンジンが与えられたというのに、この扱いの差
後述するが、V型6気筒というエンジンの形は、最も効率の良い形式(V8では複雑すぎ、直6では大きすぎ)であり、乗用車の主役になっていくだろうと、『湾岸ミッドナイト』では予言されていた
また、モータースポーツの最高峰であるF1においても、この形のエンジンをターボで過給したホンダのエンジンが世界を制した時代もあった
車はエンジンだけで良さは決まらないという話は聞くが、どんな改造や改良をしようと、決して縮まらない差が埋まらないのもエンジンだろう
世間的には、GTRという名車の陰に隠れることになってしまった不遇のスポーツカーのZ32だが『湾岸ミッドナイト』ではそのZ32に魅せられた、マイナーなチューナーにスポットを当てたストーリーが描かれている
そこでも少し触れられるが、悪魔のZに乗り換えるまで、主人公が初登場時に乗っていた車もZ32だった
冒頭でいきなり湾岸最速の黒いポルシェターボにぶち抜かれるところがまた印象的なシーンでもある

さて、Z32の話に戻りたいのだが、その前に、GTRの話を少し
二度目のフルモデルチェンジを経て、完成されたR34 GTRは惜しまれつつも2002年に生産を終えた
以降のスカイラインからはGTRモデルは消滅することになる
その頃既にZ32もこの世から姿を消しており、フェアレディZは五代目に進化していた
北米で人気を誇ったフェアレディZという車は、日産がルノーとの合併を果たしたためか、五代目においてはどこかヨーロッパ車的な風情を感じる形態をしている
この頃、まことしやかな噂が流れていた
日産はGTRという車をスカイラインから切り離し、完全に独立したスーパーカーとして作ろうとしている、と
グランツーリスモの3においては、エンドロールでその試作モデルらしき正体不明の車が走っている姿を見ることが出来た

そして2007年
五年の空白期間を経て、ついにGTRが再び世に出ることとなる
世界中とBBCが喝采と祝福をもって、この名車の誕生を喜んだ
日本の自動車界においても、GTRが与えた影響は計り知れない
それは89年に、R32 GTRが発売された時よりも衝撃的だったろうと思われる
ポルシェやフェラーリを凌ぐ車が、この小さな島国からついに発売されたのだから、無理もない

ボンネットを開けた画像を見ると、高効率の3.8リットルV6ツインターボエンジンが覗く
GTRの名を冠するのだから、てっきりRB26を進化させた直列6気筒エンジンになるものと思っていただけに、個人的には残念に思った
というのも、スーパーカーやハイクラスのGTカーといえば、V8やV12といった、大きく複雑なものが当たり前というイメージを持たれており
安価な大衆車にも載っているV6エンジンを意図的に排除しているとしか思えなかった
しかし、そのような誹謗を受けることなど、想定済みだったかのように、日産はV型6気筒という優れたバランスを持つ形式のエンジンを高性能エンジンとして昇華した

Z32のボンネットを開けると、やはりV型6気筒、ツインターボエンジンが載せられている
インタークーラーも左右に独立して配置しているなど、新型GTRと姿形は似ていなくもない
と言いたいところだが、こじつけもいいところなのはわかっている
ただ、本当に惜しいなと思わずにはいられない
生まれた時代、出発点、購買層、価格、全てに格差のある二台の車は、同じメーカーから誕生した
並べて語ることがおこがましい程、共通点のなさすぎる車で、GTRのV6エンジンを見てZ32の存在を思い出した人も、世の中にほんどいない
名車でもないため、存在自体を忘れている人のほうが多いことだろう

ただ、子供の頃に高速道路で見かけた、追い越し車線を走り抜けていくZ32の後ろ姿はよく覚えている
間違いなく、あのクルマは格好いいクルマだった
もしもZ32に、R32 GTRに負けない珠玉のエンジンが与えられていたら……?
そんなちょっとした思いつきだったり、憧憬を物語にする『湾岸ミッドナイト』は色々クルマのお勉強になるので好きな人には勧めたいマンガのひとつなのである

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