5月3週目

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主にPCの復旧に関する作業と漫画と。

5月21日(日)

スティール・ボール・ラン

「完結したら読むかぁ」と思ったまますっかりその存在を忘れていたスティール・ボール・ラン。かなり前に完結していて、しかも新シリーズも始まっていたので、まとめ買いして1週間位かけて読み終えた。

その事に関して特に説明はないんだけれど、ストーンオーシャンで一巡した後の世界だと思いながら読む。
読み終えての感想としては、何ていうか公式パロディ (もしくはオマージュ) 漫画だなぁ、というもの。

今までのシリーズ既読だったり、またスティール・ボール・ランを読む前に「一巡した後の世界みたいだよ」って話を聞いていたり、そういう自分の中の前知識が原因かもしれない、という事が前提にある話になるけれど、今までのシリーズ続編を読んだ時の様な「新しいシリーズが始まった!」って感じは何か薄い。
近いものとしては、2部から3部になったときの、波紋からスタンドに変わった時の感覚。でもあの時ほどの新鮮さはない。多分鉄球の技術自体がなんとなく波紋っぽいからなのかなぁ。
特殊な能力として「鉄球」が出て来るけれど、それも少しずつスタンド能力的なものと混ざり合っていくので、鉄球一本で話が進む訳でもない。波紋とスタンドが混ざり合う3部ジョセフを思い出す。
「スティール・ボール・ランのレースに優勝する」のが大目的として始まったものの、実はそのレースは仕組まれたものだという事が途中で明かされる。
そしてレース参加者でストーリーに深く関わる者は殆ど皆、仕組まれた目的を達成する為にレース参加してたりする。1本のシリーズの中で大目標が変わっているからか、いろんなものが詰め込まれた印象が強くなる。
加えて今までのシリーズキャラが脇役的に登場してみたり、ラストはゴールド・エクスペリエンス・レクイエムだったり、もう全体的に今までのシリーズを想起させるようなエピソードが多い。
ので、なんとなく公式パロディないしオマージュ、みたいに感じてしまった。

じゃあ面白くないのかと言えばそんなことはなくちゃんと面白い。
話の運びは全体を通してみても各エピソードを抜き出してみても、共に荒木飛呂彦らしい、ジョジョらしい展開で、いちいち理屈っぽくて、にも関わらず勢いもあって熱い。
新鮮だったのは主人公がどうしようもないところ。今までのシリーズは基本的に主人公は王道的というか、いろんな意味で強いんだよね。4部で出た「黄金の精神」を持っている。マフィア幹部を目指す5部のジョルノですら根本的な部分に黄金の精神がある。
対してスティール・ボール・ランの主人公にはそれがない…と言わなくても、かなり薄い。例えば2部のジョセフは軽薄でずる賢い面もあったけれど、そういうのとはまた違う。近い何かで挙げるとすれば、ガンダムのアムロやエヴァのシンジの様な主人公の描き方。しかも彼は最初から最後まで自分の目的 (その目的も「母を助ける」とか「~の計略を阻止する」とか他者に関わる何かという訳ではなく、ごくごく個人的な問題の解決) を達成する為に行動をする。
これだけ長く続いているジョジョのシリーズにおいて、弱さと人間臭さを持ったキャラクターが主人公になるのは初だと思う。とは言えもう一人の主人公であるジャイロは “黄金の精神” なキャラだけど。そこは4部の仗助と康一を思い出させる感じ (またオマージュ感じる部分だ)。但しスティール・ボール・ランのジョジョは多分最後まで黄金の精神は獲得してない。

そんな訳で、間違いなく面白いんだけれど新作感が薄い、焼き直しという訳ではないけどデジャヴを感じる、そんな何ともいえない読後感のある漫画だった。
ある意味それはそれで正解なのかも知れない。今こうして感想文書いていて思ったけれど、この感覚こそまさに「一巡した後の世界」で味わうものなのかも知れない、と思ったりした。というところで感想文おしまい。まる。

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