「女くどき飯」と「コトコトくどかれ飯」騒動の雑感
急にtwitterのタイムラインで「峰なゆか」の話題をちらちら見かける様になったので、ちょっと気になって調べてみたら、パクりだ何だという話題の様子。
起きていた出来事を3行でまとめると以下の通り。
- コミックナタリーに「コトコトくどかれ飯」の記事が載る。
- 記事の内容から、峰なゆかが自身の著書「女くどき飯」のパクりだとポスト・拡散
- 「コトコトくどかれ飯」の作者・田所コウが連載辞退のリプライ
これだけを見るとたまに見かけるパクり炎上の様だけれど、眺めている限り祭り感がないので調べてみたら、パクりだとする根拠が全然上がってこない上に、むしろ「いやパクりではない」というまとめが出てきたりした。
最近パクりがあーだこーだという話をよく聞く。似ているとして、果たしてどこまで似ていればそれがパクりになるか。 なんでもかんでも法廷に持ち込まれるわけじゃない。 そこまでいかないレベルのもの。 閾値は曖昧。 【前回までのあらすじ】 著作権侵害未満なパクりの話 - あざなえるなわのごとしazanaerunawano5to4.hatenablog.com 田所コウ「コトコトくどかれ飯」の新連載を知った峰なゆか。 自分の連載「女くどき飯」にタイトルやシチュエーションが似ていると感じた彼女は、編集を通じ法的にパクりとして対処できな… この件について「峰なゆかは内容が被っていないものをパクりだと大騒ぎしてキレた挙句に、嫌がらせをするとまで宣言。法的に追求できないことなのに法的な側面から作者を追求している。」って読解してる人は、国語のテストでこの問題の長文読解出てきたら1点も取れないぞ。— 中村珍 (@nakamura_ching) 2015, 8月 …著作権侵害未満なパクりの話 – あざなえるなわのごとし
完・著作権侵害未満なパクりの話 〜君の望む未来〜 – あざなえるなわのごとし
仁義なきパクリの戦い 中村珍代理戦争 – あざなえるなわのごとし
その他、幾つかのtogetterとそのコメント欄等も読んでみた。
峰なゆかに賛同しているのは基本的に彼女のファンなんだろうなーという雰囲気の方ばかりで、総論としては「確かにタイトルは似ているかも知れないがそれだけ」という感じ。
上記以後の流れの確認としては、下記togetterを読んだりした。
後半部分はおさらい的にポストがまとまっているので最後まで読むと概ね全体が把握できる。
【パクリ疑惑】『コトコトくどかれ飯』が『女くどき飯』に似過ぎている件、ついに田所コウ(小毛山)さんからリプライ – Togetterまとめ
まとめました。 更新日:8月16日10時53分
取り敢えず、何だかんだで自浄機能は働いているんだなという小さい安心感。
「叩けそうな何かは取り敢えず叩く」様なムードに完璧に沈み込んでる訳ではないんだなと。
今回の騒動の発端である峰なゆかの行動は理解出来はするものの、どうしても気持ち悪さが残る。
これは何なんだろう、という事を考えながら前述の様な記事・情報を読んでいたんだけれど、本人のポストで挙げられていた例えの “単語” が、そのまま自分の感じる気持ち悪さと被るんだなーと気付いた。
「仮にコンセプトが似てたとしても、それは別に損する訳でもなし、貴方の作品がそれだけ良いという事ですよ」というリプライに対する反論なんだけれど。
「痴漢されるくらい女性として魅力的なのだから喜べ」理論。 https://t.co/J8m4yXhn56
— 峰なゆか (@minenayuka) 2015, 8月 15
痴漢、痴漢ねぇ…ああ、これは痴漢冤罪事件っぽさが気持ち悪いんだ、と。
しかも、痴漢冤罪よりも質が悪くて気持ち悪いんだ。
痴漢の場合は、現行犯でないと立証しづらいという面がある為、どうしても対応に即時性が求められる事が多いと思う。
だから「痴漢だ!」と感じたら、誤解かどうかは置いておいて取り敢えず声を上げる事となるし、それによって周囲の人も「けしからん!」と被害者の味方をする事もあるだろう。
でも今回のこの騒動は、特に即時性が求められる内容でもない。
一応、いきなり拡散に走った訳ではない様で、「法的に対処する方法を自身の編集部に調べて貰っているけれどそれは無理そうだ」という事をポストしている。
まぁだからその後twitterを使った私刑に走った様だけれど、そもそもの前提として「法的に対処する」事を検討する前に、「まずは相手側に苦情を申し立てる事と、作品の内容や事実の確認が先」だと思うし、それこそ峰なゆかやその周辺の人が言っている「筋」なんじゃないのかな、って思う。
筋の関係で言えば、社会人の筋としてはtwitterで編集部広報アカウントにリプライ入れてる様も、違うだろ、とツッコミみたい。
細かいところだけれど、峰なゆかのtwitterアカウントは認証済アカウントではない。
また、クリエイターとして他者の作品に対し「パクりだ!」と言うのであるなら、ある程度の決心・心構えと準備は絶対に必要だと思うんだけれどね。
何かしら作り出す人間としての筋。
まぁタイトルに関しては確かに似ていて、そこに意図的なものを感じない訳でもないので、峰なゆかの考える筋を田所コウ側の編集部は通していない→「通すべき筋を通してない!じゃあこっちも筋なぞ通さん、戦争だ!」というのなら、その心情は理解出来るけれど、とても哀しい話だなぁ、と思う。
そんな訳で、満員電車の中、ついた編集さんに押された結果、意図せず鞄が峰なゆかにぶつかった瞬間「この人痴漢です!」「何だとけしからん!!」と叫ばれ騒がれた田所コウのイメージが頭に思い浮かび、居心地の悪さ、気持ちの悪さを感じてなんともやりきれない気持ちになった。
そして繰り返すけれど、これは痴漢冤罪よりも質が悪い。
相手をいきなり叩き潰す方向に持っていく必要がないんだもの。
もし峰なゆか本人がいう様に、叩き潰したい訳じゃないのなら、ね。
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追記: 15年8月21日にハツキス編集部の見解が発表されました。
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