The Flame in the Flood 感想文

ビジュアル的にもシステム的にも以前より気になっていた『The Flame in the Flood』をプレイ。

プレイ前の情報としては、水没した世界で河を下り、途中の島々に上陸してはアイテムを収集→クラフトしていくというリアルタイムアクション形式のローグライク・サバイバルらしい、というところ。

そこから受けた印象としては、ある程度物資が集まったら後はサバイバルというよりはアイテムコレクトと本拠地拡張になってしまうサバイバルゲームが多い中、一所に留まれない仕組みを用意してあるのは巧いなぁ、というところ。

で実際にプレイしてみて、いやいやこれはサバイバルゲームではなく純粋なローグライクゲームだ、と衝撃を受けた。

一般的に馴染み深いローグライクゲームと言えば不思議のダンジョンシリーズ。

それ等のシリーズに共通しているものとして、ダンジョン等を探索し、敵モンスターを倒し、アイテム収集をしながら目標を達成する、というものがあると思う。

そして前述の3項全てに必要となるのは “的確な状況判断” で、運の要素も絡みつつも基本的に “如何に最善手を選び続けるか” が面白さの本質だと思うんだよね。

この面白さの本質を維持したまま、ギミックとビジュアルを置き換える事で、異質な見た目でありながらも「これは正統派ローグライク」と思わせられるゲームを作り上げている事に吃驚したのと同時に、心から感心させられたんだ。

まずは探索フェーズ。

一般的なローグライクゲームで通路移動と部屋探索をする様に、The Flame in the Floodでは河を下り島に上陸する。

通路が左右に分岐する様に河も分岐され、辿り着く部屋/島もその分岐によって変わってくる。

“河下り” という形式を取っているので、一般的なローグライクゲームと違い一度通り過ぎた場所に戻れない=河を遡る事は出来ない。

その先にどんなアイテムや障害があるか完全に分かる訳ではないので運の要素もあるけれど、距離メーター付きのアイコンで「食料がある可能性が高い農場」だったり「資材が手に入る可能性の高い工場」だったりがあるよ、と表示されるので、今何が必要か、もしくは今後何が必要とされるかを考えながら選び取る必要がある。

(余談だけれど「戻れない」「一所に留まれない」というところで状況判断の面白さを増したローグライクゲームに
以前感想文を書いた『片道勇者』がある)

次に敵モンスターとの戦闘。

なんだけれど、このゲームの主人公は基本的に戦闘能力がない。

結果として「戦闘」という形にならないんだけれど、一般的なローグライクゲームと同じ様な “戦闘” を感じさせられる。

というのも、大抵のローグライクゲームは中盤~後半に掛けて指数関数的に敵が強くなり、正面からやり合うのでは無く某かの工夫が必要になる事が多い。

The Flame in the Floodでは前述の様に戦闘能力がないので、罠を仕掛ける、松明で一時的に追い払う、巧く逃げ回る、安全な日中に行動する (体力を消費する代わりに時間を進める)、そこを諦める等、”工夫” が最初から必要になる。

そしてアイテム収集。

他のローグライクゲームの様に所持数に制限があるので、何を持って行くか何を捨てるかの判断が必要になる他に、The Flame in the Floodではクラフト要素がある。

これがとても良い出来で、単にアイテムの取捨選択が必要になるだけではなくて、どのタイミングで何をクラフトするかの状況判断も必要とされ、取捨選択の深みを増している。

ここで焚き火を作れば腐る前に肉を調理出来る、でもその為の資材を残しておけば次の島に敵対生物がいた場合罠にする事も出来る。

今ポーチを縫えば確かに所持アイテム数を増やせるが、同じ資材で傷口を縫うことも出来る。

「今何が必要か」というだけではなく、「今後の備え」も視野に入れつつ、何を拾い何を捨て “何を作るか” を判断させるこのシステムは、とても楽しい葛藤を生んでくれる。

その他、そもそも河下り自体の軽微なアクションの面白さや “サバイバル” らしさを演出する空腹/乾き/体温/疲労度のパラメータ管理、怪我や病気などのステータス異常、そしてターン制ではなくリアルタイムであるところ等、様々な面でバランス良く “的確な状況判断” が必要とされる。

今回ローグライクゲームという観点極振りでの感想文を書いたけれど、河下りのシチュエーションや最近流行のペーパークラフト的な3DCG、心地良いカントリーミュージック等、ゲームのフレーバー部分の出来も素晴らしい。

特にスタート地点の島から筏を漕ぎ出し眺める朝日の情景と言ったら、もう。

向き不向きが強いゲームではあると思うけれど、機会があれば一度触れてみて欲しい作品の一つ。

最後に、特別良いゲームプレイではないけれど、プレイ動画を。

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