2016-08-15

メッカ

「イスラム教最大の聖地とされており、当地へのハッジ(巡礼)は体力と財力が許す限りあらゆるムスリム(イスラム教徒)が一生に一度は果たすべき義務である。」
―ウィキペディア――

最近仲間内の一部で流行している「ガールズ&パンツァー」なるアニメにおいて、聖地とされる、茨城県は大洗に行ってきた
旅行に行っても写真を1枚も撮らない人間なので文章オンリーという雑仕様
元々はごく普通の観光地であり、海の幸と整備された浜辺の広がるリゾート地という印象で、関東の南部に住む人間ならまず訪れようとしない(としか思えない)場所だ
実際には水戸から近いこともあり、旅行のついでに訪れる人も多かったと思われるし、那珂川(なかがわ)を遡る涸沼(ひぬま)は古くから釣り人に愛されたスポットであり、シジミの産地であるとも聞く
実際訪れて不思議だったのは、海沿いなのに潮の匂いがあまり感じなかった点、単に自分の鼻が利かなかったというのもあるが

着いて早々、海岸のそばにあるアウトレットとマリーナを一望できる大洗マリンタワーのガルパン喫茶へ
元々何の店だったのか、さっぱりわからないが、戦車の模型にポスター、壁紙は戦車の青写真に店内BGM、そして集ったファンたちの談義によって構成される、ベルリンの包囲網のような逃げ出せない空気
昼食が遅くなったこともあり、空腹の中、呼ばれるまで雑談しながら待つ、そしてやっと席について注文して待つ
ハンバーガーを頼んで待たされるというレア体験を得る
待ちながら、周囲の客の会話に聞き耳を立てる(までもなく聞こえる)ファンたちの会話……よほど楽しみだったのか、彼らの声は高く、楽しげな雰囲気
あいにくだが、下を見ても戦車が走っている様子はなかったし、学園が丸ごと入った空母のような船も見当たらなかった……当たり前か
ただ、停泊しているサンフラワー号の横に、何やら見覚えのある、暗い緑色の車両が
どこから来たのか、自衛隊の73式の大小トラックが停まっているのが見えた
まさか、自衛官の巡礼者……ってことはないだろうけど
が、ガルパンのファンは現代の車両に興味ないのか「あー、ジエイタイだー」くらいの薄い反応
これが74式戦車でも輸送されてたら、反応は手の平を返してたかもしれない
それともやっぱりチハかチヌじゃなきゃ駄目なんだろうか
そんなにキャタピラ好きか
いや、わかるけど
普段は意識しないけど、災害時とか非常時には舗装路も崩れるし、不正地走るのに必須だって
そんなこと考えて空腹を紛らわしていると、ハンバーガーとチップスがやっときた
空腹のピークが近づいていたこともあって、美味しかった
それにしても忘れられないのが、エレベータの扉が開閉する度に居合わせたカップルや家族連れの「うわ」と息を呑んだ反応
やっぱそうなるよなあ
そしてオタクはそういうの気にしないし、まともな大人はそういう奇人変人を見ても動じない
同じエレベータに乗りながら、どちらも相手が存在しないことにできる

で、翌日は商店街の方も歩いてみたんだけど、各店に各キャラクターの等身大パネルが設置され、全力で出迎えてくれる
アニメの聖地となったことを受け入れて、全力で町をあげてファンを受け入れようとする姿勢、熱意が感じられる
一方で、ここまでされると普通の観光客は入りにくそうな気がする
雑談しながら歩きつつ、人影が前から歩いてくるのが見える
やっぱり男数人のグループで、巡礼者って実際に居るものなんだと、再確認
そして彼らから見ても、自分たちは「仲間」いや、同じ穴のムジナにでも見えたのだろうかと考えが及び、熱心なファンじゃないことに罪悪感を覚える

ここが聖地であることを一番顕著に感じたのは、神社の絵馬を見た時で、圧巻の一言に尽きる
同じ人が描いてそうな絵柄の絵馬を見ると、何度も訪れているのが想像できるし、とにかく数が多い
ファンじゃないのがバレたら、石を投げられるんじゃないかという謎の不安感を覚える

それでも、戦車に関しては(ガルパンのファンには申し訳ないけど)陸戦の主力という考え方自体がもう古臭い(と思う)ので、今の10式戦車みたいに軽量でデータリンクできる、ハイテク戦車を少数(500両くらい?)あればいいような

重すぎて使い道ないとか言われている(気がする)90式だって、迎撃とか待ち伏せ用に運用すれば、最高の防波堤になりそう
ほんとに要らなくなったら、インドとベトナムにあげればいいし
それより歩兵を安全に展開できる装輪装甲車と、水陸両用車を早く作って欲しいなと思っている
あとは揚陸艦(ヘリ空母とかいうよくわからない名前のアレ)の数も足りないから、増やせるだけ増やして
これが中東とかヨーロッパだと事情が多少異なってくるだろうけど、でも、現代戦で戦車の出番は思ってるより少ないから…電撃戦なんてないし(多分ないよね?)
アメリカのM1戦車なんて、パワーパックからの排熱ひどくて歩兵の盾には使えないし、市街戦で使いにくかったんじゃないだろうか
それとも歩兵の盾はM2ブラッドレーを持ってくるから問題なかったとか……?
素人が何を寝言のたまっってんだと思われそうだけど…

そういう現実の軍事的な話と切り離して作品を観るべきなんだろうけど
「乙女のたしなみとして(WW2くらいの古い戦車使う)戦車道が成立する社会」っていうのも、言っちゃいけないんだろうけど、乙女に限定しなくてもいいような……
男女別(または混合)で普通に部活として戦車乗って和気あいあいの青春群像、これだったらちょっと見てみたい
声が聞き取りやすいからって、全く無関係の放送部の女の子を引っ張りこんだりとか想像してみたり
汗や泥とオイルで汚れたのを言い訳に、手を繋いで帰りたいんだけど、遠慮しちゃうとか
自分が貧しい青春を過ごしたこともあって、そういう眩しいのに憧れる

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